50代になると、「疲れやすい」「肩や腰がいたい」などの症状や下腹部が気になるなど、加齢による身体の変化を感じる方は多いとおもいます。その原因として筋肉量の低下やホルモンバランスの崩れが挙げられます。
50歳以上の年齢になると、身体に変化が起こるのは当たり前で、誰にでもあることです。大切なのは変化を理解して、少しづつ自分のペースで運動をすることです。
運動が必要なのは分かっているけど、苦手だし、忙しくて…
それなら毎日の生活に、簡単な運動を取り入れてはいかがですか
効果的に運動をするには継続が必要です。しかし、ジムや教室は「時間が合わない」「毎日忙しい」など通うことが難しい方もいらっしゃいますね。そこで今回は、50代の現役理学療法士「きろぽん」が実践している「ながら運動」について解説していきます。
- 50代の女性に起こる体の変化には、習慣的な運動が効果的
- 50代からでも無理なく運動が始められる
- 生活習慣が運動になるから、忙しい50代でもできる
- いつでも始められる、ながら運動5選
50代の女性に起こる体の変化には、習慣的な運動が効果的
筋肉量が低下する
50代からは、簡単なもで良いので、運動をおすすめします。なぜなら、50代から加齢による筋肉量が低下するからです。特に下肢筋力の低下が目立ちます。変わったことはないのに膝が痛い、腰が痛い、などありませんか。これらは関節を支える筋力の低下が一つの原因です。50代からは、運動の習慣化が大切となります。
日本人筋肉量の加齢による特徴
引用:https://www.jstage.jst.go.jp/article/geriatrics/47/1/47_1_52/_pdf/-char/ja
女性ホルモンが低下する
症状や程度は人によって違いますが、閉経により、身体に大きな変化が起こります。閉経期前後の約10年間に卵巣ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に減少するからです。症状としては疲れやすい、寝付けないまたイライラや気持ちの落ち込み、急な発汗など、思うように身体が動かずさらに気持ちが落ち込むこともあります。
大切なことは、誰にでも起こる、年齢を重ねる際の自然な身体の変化と認識することです。理解したうえで運動を行うとライラするやしびれ等、特有の症状が改善した報告もあります。
更年期女性に対する健康指導に関する過去10年の文献検討
引用:https://www.jstage.jst.go.jp/article/kenkokyoiku/17/1/17_1_3/_pdf
更年期障害
引用:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-081.html
基礎体力が低下する
基礎代謝とは安静にしていても臓器が消費しているエネルギーで、一般的に加齢により基礎代謝は低下します。臓器の活動低下も要因ですが、安静時基礎代謝の22%である、骨格筋量の減少が主な理由としてあげられます。50代になり、痩せにくくなったと感じることはありませんか。基礎代謝を上げるために、運動をおすすめします。
加齢とエネルギー代謝
引用:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-004.html
50代からでも無理なく運動が始められる
自分の体重が負荷だから、無理なくできる
ながら運動は、自重トレーニングです。自分を支える体重が負荷となります。毎日歩いて動いている時、自分の体重は自分の筋肉で支えているから、個人個人の生活に適した負荷となります。重い負荷は、ケガの原因となります。自分自身が、生活で動くのに必要な負荷は、最適なおもりとなります。
生活習慣が運動になるから、忙しい50代でもできる
個人の生活の合わせ、いつでもできる
50代になり「運動しないと」と感じているけれど、出来ないことはありませんか。家事や育児また介護、また仕事は責任を担う立場になる50代、人により事情は違いますが、何かと忙しい50代でもながらなら少しづつ始められます。掃除機をかけながら太ももの運動。歩くときに姿勢を意識する。洗濯物をたたみながら開脚など。日常の中に、運動できる場面はたくさんあります。ぜひ簡単な運動から始めてみてください。
運動を始める前に自分の特徴を知ろう
運動を始める前に自分の身体の特徴を知りましょう。猫背なのか、腰が反るのか、片方の方が上がっているか、両膝が広がっているかなど。
鏡で全身を見つめる
つま先→膝→骨盤→肩→頭を見つめてみましょう。左右差、気になるとことがありますか?みぞおちを上にあげるような姿勢をとると力が入るところがありますか。
壁に背中をつける
壁に近づいて頭→背中→お尻→かかと壁につけてみましょう(腰は手の平が、壁との間にすっと入るくらいに空ける)前に倒れそうなときは、かかとは無理につけなくてもOK。こちらもどこに力が入るか確認しましょう。そして、力を抜いてみましょう。いつもの姿勢と力が入る姿勢交互にしてみてください。自分の特量が分かると思います。
50代からでも始められる、ながら運動
買い物しながら運動しよう
買い物の時間は何をしているのでしょうか。主に商品を選ぶ、移動する、レジで会計となります
買い物の移動は意識してあるく
買い物の当たり前のように思えるが多くの時間は店内移動ですね。特に大型ショッピングセンターは移動距離が多いです。この移動を運動に変えてはどうでしょう。
- 壁に背中をつけた姿勢をイメージする
- そのまま大きく足を前に出して、骨盤から動かすイメージで歩きましょう
レジ待ち
忙しい時間なのにレジ待ちは大変です。一般的に人は3分以上レジ待ちで待つとイライラするそうです。そのような時間を運動に変えてみてはいかがですか。
- 足を肩幅に広げる
- バランスを保ちながら カートや壁を触ってバランスを保ってもOK
- ゆっくり、かかとを上げ下げします
自宅で家事をしながら運動しよう
1日の中で多くの時間を費やしている家事の時間。隙間時間や少しの工夫で、運動することはできますよ。
料理・洗い物をする
前かがみの作業が多いですね。同時作業も多いですが、工夫すれば運動できますよ
- シンクに腹部をもたれない
- 胸を開いて肩甲骨を動かすイメージで冷蔵庫の食物を取ることや、鍋をかけるなど行う
- お腹に力を入れ、頭を上にするよう姿勢をに意識する
洗濯物をたたむ
洗濯物を取る→たたむ→置く。同じ動作が洗濯物の数だけ続きます。反復運動のチャンス
- 床でたたむ際は足を開脚した姿勢で行う。自分が楽に広げられる角度で大丈夫
- 身体の前に洗濯物を置く
- たたみ終わった洗濯物は左右の足の外側に置く
掃除機やワイパーモップをかける
- 立つ姿勢から片足を大きく前に出す
- 前に出した足の太ももに力を入れながら、腰を落とす
- 掃除機やワイパーモップをかける
まとめ 毎日の生活に運動を取り入れよう
運動不足の50代女性に、ながら運動を勧める理由と、具体的な方法を紹介しました。人生100年時代です。長く元気で過ごせるように、手軽にできる運動から始めていきましょう。面倒くさい時もありますが、ほんの少し意識することで習慣化できますよ。
一緒に頑張りましょうね!
50代、経験年数30年以上の理学療法士です。ずーっと楽しく動いていきたいです。
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